ＥＲＩホールディングスの決算短信<2025年５月期第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、確認検査及び関連事業、住宅性能評価及び関連事業、ソリューション事業、その他の事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅市場は持家及び分譲住宅の着工の落ち込みにより、新設住宅着工戸数が減少している。非住宅の建設市場も同様に着工床面積が減少しており、全体的に需要が低迷している。
・競争における供給の状況：供給側では、業界全体での競争が激化しており、特に省エネ関連業務においては新規参入企業が増加している。これにより、価格競争が発生し、利益率が圧迫される可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社は、確認検査や住宅性能評価において強固な地位を持つ企業が多く、特に大手企業が市場シェアを占めている。これに対抗するためには、差別化されたサービスの提供が求められる。
・新規参入企業について：新規参入企業は、省エネや環境関連のサービスを提供する企業が増えており、特にテクノロジーを活用した新しいビジネスモデルが注目されている。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品としては、従来の建設業務に代わる新しい技術やサービスが登場しており、特にデジタル技術を活用したサービスが注目されている。これにより、顧客のニーズが変化し、企業は柔軟に対応する必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年5月期第2四半期の連結業績は、売上高8,976百万円（前年同期比3.6％増）、営業利益565百万円（同32.4％減）、経常利益601百万円（同28.8％減）、親会社株主に帰属する中間純利益339百万円（同33.0％減）となった。売上高は増加したものの、営業利益及び経常利益は大幅に減少した。これは、営業費用の増加が主な要因であり、特に人件費の上昇が影響している。前期との比較では、売上高は増加したが、利益面では大きな乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年5月期の業績予想は、売上高20,500百万円（前年同期比13.7％増）、営業利益2,100百万円（同5.5％増）、経常利益2,100百万円（同4.0％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円（同5.4％増）とされている。業績予想の根拠としては、サステナビリティ重視の経営方針に基づく新規事業の拡大や、既存事業の強化が挙げられる。ただし、リスク要因としては、住宅市場の低迷や競争の激化があり、これらが業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年5月期の第2四半期末において30.00円の配当が予定されており、年間配当金は60.00円となる見込みである。前期からの変更はなく、安定した配当政策が維持されている。配当の維持は、企業の財務基盤が安定していることを示しているが、利益の減少が続く場合には将来的な配当政策の見直しが必要となる可能性がある。

5. 株価予想

上記の業績内容や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定する可能性が高い。