松尾電機の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)>銘柄分析

1. 環境分析

松尾電機株式会社は、主にタンタルコンデンサ事業と回路保護素子事業を中心に展開している。タンタルコンデンサ事業は、カーエレクトロニクス向けと産業用電子機器向けに分かれ、回路保護素子事業は高電流ヒューズを中心に構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の回復に伴い、個人消費が増加し、特に産業用電子機器向けの需要が高まっている。カーエレクトロニクス向けの需要は減少しているが、全体としては堅調な需要が見込まれる。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格上昇や供給チェーンの混乱が影響を及ぼしているが、企業は効率的な生産体制を整え、安定供給を目指している。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の製品を提供しており、特に技術革新やコスト競争力が重要な要素となっている。市場シェアを維持するために、各社は新技術の開発に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少なく、既存の大手企業が市場を支配しているが、ニッチな市場に特化した新興企業の動きも見られる。
・代替品について：代替品としては、他の種類のコンデンサや保護素子が存在し、特にコストや性能面での競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高3,400百万円（前年同期比7.3％増）、営業利益355百万円（49.1％増）、経常利益332百万円（56.8％増）、四半期純利益245百万円（101.8％増）となった。前年同期は売上高が減少していたが、今期は特に産業用電子機器向けの需要が増加したことが業績を押し上げた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高4,700百万円（11.6％増）、営業利益460百万円（80.4％増）、経常利益430百万円（94.6％増）、当期純利益330百万円とされている。リスク要因としては、物価高の影響や供給チェーンの不安定さが挙げられるが、全体的には需要の回復が期待されている。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は0.00円であり、前期から変更はない。配当を出さない理由としては、再投資を優先し、成長戦略に資金を充てる方針があるためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が改善し、次期業績予想も成長が見込まれるため、投資家の期待感が高まると考えられる。