コーセルの銘柄分析

1. 環境分析

コーセル株式会社は、主にエレクトロニクス業界において、ユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタなどの製品を提供している。セグメント情報としては、日本生産販売事業、北米販売事業、ヨーロッパ生産販売事業、アジア販売事業、中国生産事業がある。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：エレクトロニクス業界では、AIの活用によるデジタル化が進んでおり、サーバーやデータセンター向けの半導体需要が増加している。しかし、産業機器市場では中国経済の低迷が影響し、設備投資が低調である。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体の供給不足が続いているが、競合他社も新製品の投入を進めており、競争が激化している。
・既存競合他社について：コーセルの競合には、国内外の大手エレクトロニクスメーカーが存在し、特に価格競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新興企業が市場に参入する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の電源供給装置や新技術を用いた製品が考えられ、特にエネルギー効率の高い製品が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年5月期第2四半期の業績は、売上高14,855百万円（前年同期比31.2％減）、営業利益634百万円（同85.0％減）、経常利益594百万円（同87.9％減）、親会社株主に帰属する中間純利益278百万円（同92.1％減）となった。業績の悪化は、受注高の減少や変動費比率の上昇、基幹システムの入れ替えによる一時的な機会損失が影響している。前期との比較では、売上高が大幅に減少し、業績予想との乖離も見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年5月期の通期業績予想は、売上高29,174百万円（前期比29.6％減）、営業利益1,245百万円（同82.0％減）、経常利益1,278百万円（同83.7％減）、親会社株主に帰属する当期純利益751百万円（同85.5％減）と見込まれている。リスク要因としては、為替レートの変動や中国経済の低迷、顧客の発注調整が挙げられる。特に、米国大統領選挙の影響や、エレクトロニクス業界全体の需要動向が業績に大きく影響する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年5月期第2四半期の配当額は27.00円で、前期と同水準を維持している。次期の配当予想は28.00円に引き上げられる見込みであり、これは業績回復の兆しを反映したものである。株主還元に関しては、自己株式の処分や新株式の発行も行われており、資本政策の見直しが進められている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、向こう3ヶ月以内の株価は「横ばい」と予想される。市場全体の動向や競合他社の動きも影響するため、注意が必要である。