ファースト住建の銘柄分析

1. 環境分析

ファースト住建株式会社は、戸建事業、マンション事業、特建事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅販売価格の上昇と実質所得の低下が影響し、戸建住宅の需要は冷え込んでいる。特に、物価上昇に伴う家計の圧迫が顕著で、消費者の購買意欲が低下している。
・競争における供給の状況：土地の供給価格は下がらず、建築資材の価格は上昇しているため、供給側も厳しい状況にある。特に、建築コストの上昇が利益を圧迫している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、低価格住宅を提供する企業が増加している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデザイン性の高い住宅を提供する企業が増えており、競争が激化している。
・代替品について：賃貸住宅やリノベーションマンションが代替品としての役割を果たしており、特に若年層の間で賃貸需要が高まっている。

2. 当期業績の内容

令和6年10月期の売上高は359億85百万円で、前期比17.0％減少した。営業利益は18億28百万円、経常利益は17億99百万円で、いずれも前期比で大幅に減少した。親会社株主に帰属する当期純利益は24億96百万円で、前期比42.5％増加した。業績の悪化は、戸建分譲の販売棟数が減少したことが主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

令和7年10月期の売上高は480億円を見込んでおり、前年同期比33.4％の増加を予想している。戸建分譲の販売棟数は1,260棟を目指す。リスク要因としては、金利の上昇や物価の高騰が挙げられ、これが消費者の購買意欲に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は前期と変わらず、1株当たり43円を予定している。配当性向は23.9％であり、安定した株主還元を維持する方針である。配当額の変更はないが、業績の回復が見込まれるため、次期に向けた増配の可能性も考慮されている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場環境の厳しさが続く中で、安定した業績を維持できるかが注目される。