ＡＢ＆Ｃｏｍｐａｎｙの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は美容室業界において、直営美容室運営事業、フランチャイズ事業、インテリアデザイン事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内消費の回復に伴い、美容サービスの需要は堅調に推移している。特に、リピーターの増加が顧客単価の上昇に寄与している。
・競争における供給の状況：新規出店が進む中、競合他社も同様に店舗数を増やしており、競争が激化している。特にフランチャイズモデルを採用する企業が増加している。
・既存競合他社について：大手美容室チェーンや地域密着型の美容室が存在し、価格競争やサービスの差別化が求められている。特に、スタイリストの技術力や接客力が競争優位性に直結している。
・新規参入企業について：美容業界は比較的参入障壁が低いため、新規参入者が増加している。特に、オンライン予約やデジタルマーケティングを活用する新興企業が注目を集めている。
・代替品について：自宅でのセルフカットやオンライン美容サービスの普及が進んでおり、特に若年層を中心に代替サービスの利用が増加している。

2. 当期業績の内容

2024年10月期の売上収益は18,183百万円で、前年同期比8.3％の増加。営業利益は1,740百万円で、前年同期比3.5％の減少。税引前利益は1,581百万円で、前年同期比6.0％の減少。これらの結果は、新規出店による売上増加が寄与した一方で、販売費及び一般管理費の増加が影響した。業績予想との乖離は見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年10月期の売上収益は19,939百万円、営業利益は2,070百万円を見込んでいる。直営美容室運営事業では店舗数の増加が見込まれ、フランチャイズ事業でも新規店舗の増加が期待されている。ただし、郊外エリアへの新規出店が増加するため、スタイリスト当たり顧客数の減少がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は28.07円で、前期から変更はない。配当性向は37.1％であり、安定した株主還元を維持している。配当額の変更がない理由は、利益剰余金の増加があったものの、自己株式の取得による資本の減少が影響している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。