トルクの銘柄分析

1. 環境分析

トルク株式会社は、鋲螺部門とコンクリート製品関連金物部門の2つの主要セグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：建設業界は公共投資の堅調な推移と民間設備投資の持ち直しが見られるが、建設資材価格の高止まりや労務費の上昇が影響している。
・競争における供給の状況：物流の2024年問題に対応するため、支店倉庫の在庫量を増加させ、供給体制を強化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られないが、業界のデジタル化が進む中で新たな競争が生まれる可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、建設資材の価格上昇により、コスト削減を求める動きが見られる。

2. 当期業績の内容

2024年10月期の売上高は22,409百万円で前年同期比3.0％増、営業利益は905百万円で17.2％増、経常利益は1,240百万円で0.1％増、親会社株主に帰属する当期純利益は895百万円で5.9％増となった。前期の業績は特に営業利益が84.3％増と大きく伸びたが、今期は成長率が鈍化した。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年10月期の売上高は23,100百万円、営業利益は1,040百万円、経常利益は1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は900百万円と予想されている。成長の根拠としては、デジタル化による業務効率の向上や、物流問題への対応が挙げられる。リスク要因としては、資源価格の高騰や国際情勢の不確実性が影響する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は年間6.00円で、前期と変わらない。配当性向は16.4％であり、安定した株主還元を維持している。配当額の変更は見られないが、今後の業績に応じて見直される可能性がある。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。