オービスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は木材事業、ハウス・エコ事業、太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業、不動産事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：木材事業では、ウッドショック後の需要低迷が続いており、特に輸出向け梱包用材の受注が減少している。一方、国内向けのパレット用材やドラム用材の需要は堅調である。ハウス・エコ事業では、公共投資が堅調であるものの、民間設備投資は人件費や資材高騰の影響を受けている。太陽光発電事業は安定した需要が見込まれるが、修繕費の増加が影響している。
・競争における供給の状況：木材市場では、外国産材のコスト高により国産材への切り替えが進んでいる。ハウス・エコ事業では、建設資材の高騰が供給に影響を与えている。太陽光発電事業では、発電所の運営コストが増加している。
・既存競合他社について：木材事業では、競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。ハウス・エコ事業では、他社も人件費や資材高騰に苦しんでいる。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、木材事業やハウス・エコ事業においては、参入障壁が高く、新規参入は難しいと考えられる。
・代替品について：木材事業では、合成材料や代替材の利用が進んでおり、競争が激化している。ハウス・エコ事業では、他の建材や工法が代替品として考えられる。

2. 当期業績の内容

2024年10月期の売上高は114億44百万円、営業利益は5億80百万円、経常利益は5億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4億34百万円である。特別利益として賃貸用不動産の売却益82百万円を計上した。前期との比較は行われていないが、業績予想との乖離は明示されていない。

3. 次期業績予想の内容

2025年10月期の連結業績予想は、売上高128億53百万円（前期比112.3％）、営業利益6億円（前期比103.5％）、経常利益5億80百万円（前期比100.4％）、親会社株主に帰属する当期純利益3億99百万円（前期比91.8％）を見込んでいる。リスク要因としては、ウクライナ情勢や中東情勢の影響によるエネルギー・原材料価格の高止まりが挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は、2024年10月期の期末配当が67円、合計118円となり、配当性向は27.2％である。2025年10月期の予想配当は57円で、減少の理由は業績の不透明感からの保守的な配当政策と考えられる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。