東建コーポレーションの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は建設事業、不動産賃貸事業、その他の事業（総合広告代理店業、旅行代理店業、ゴルフ場・ホテル施設の運営）を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の経済は緩やかな回復基調にあるが、物価上昇や実質賃金の減少が消費者マインドに影響を与えている。新設住宅着工戸数は前年同期比で減少しており、需要は厳しい状況にある。
・競争における供給の状況：建設資材価格の高騰が続いており、供給側もコスト上昇に直面している。これにより、企業は価格改定やコストダウンを進めている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に建設資材の高騰に苦しんでおり、価格競争が激化している。特に、住宅市場においては新規参入企業の影響もあり、競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業が増加しており、特に低価格を武器にした企業が市場に参入している。これにより、既存企業は価格競争にさらされている。
・代替品について：代替品としては、リフォームや中古住宅の購入が挙げられる。これらは新築住宅に対する需要を減少させる要因となっている。

2. 当期業績の内容

2025年4月期第2四半期の連結業績は、売上高178,986百万円（前年同期比7.5％増）、営業利益10,295百万円（前年同期比85.4％増）、経常利益10,503百万円（前年同期比84.6％増）、親会社株主に帰属する中間純利益6,873百万円（前年同期比79.5％増）となった。前年同期は業績が減少していたが、今期は建設事業の受注高増加やコストダウンが寄与し、業績が大幅に改善した。

3. 次期業績予想の内容

2025年4月期通期の連結業績予想は、売上高364,052百万円（前期比6.8％増）、営業利益19,239百万円（前期比47.6％増）、経常利益19,648百万円（前期比46.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益13,161百万円（前期比47.2％増）とされている。業績予想の根拠としては、建設事業の受注増加や不動産賃貸事業の安定した収益が挙げられる。ただし、物価上昇や新規参入企業の影響がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年4月期第2四半期末の配当は0円であり、通期予想は330円に引き上げられた。前期からの変更理由は、業績の改善に伴う株主還元の強化を図るためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率を上回る見込みであるため、株価は上昇する可能性が高い。