東日本旅客鉄道の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。運輸事業、流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：鉄道利用者数は回復傾向にあり、特に観光需要の増加が顕著である。エキナカ店舗の売上も増加しており、消費者の購買意欲が高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にサービスを拡充しており、特に新幹線や特急列車の運行本数が増加している。これにより、顧客の選択肢が広がっている。
・既存競合他社について：西日本旅客鉄道（JR西日本）や九州旅客鉄道（JR九州）などが主要な競合であり、特に観光地へのアクセスを強化している。
・新規参入企業について：新たな交通手段として、ライドシェアや自転車シェアリングサービスが増加しており、特に都市部での競争が激化している。
・代替品について：自動車やバスなどの陸上交通手段が依然として存在し、特に地方では自家用車の利用が多い。公共交通機関の利便性向上が求められている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比6.2％増の2兆1,260億円、営業利益は18.1％増の3,525億円、経常利益は19.0％増の3,089億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は17.0％増の2,166億円である。前年同期に比べて全セグメントで増収が見られ、特に運輸事業の回復が寄与した。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高が2兆8,520億円、営業利益370億円、経常利益315億円、親会社株主に帰属する当期純利益210億円を見込んでいる。需要の回復が続くと予想されるが、原材料費の高騰や人件費の上昇がリスク要因として挙げられる。特に、インフレの影響が業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は1株当たり52円であり、前年からの変更はない。株主還元の方針は堅持されており、安定した配当を維持する意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。