トビラシステムズの銘柄分析

1. 環境分析

トビラシステムズ株式会社は、迷惑情報フィルタ事業を中心に、特殊詐欺やフィッシング詐欺の抑止に効果的なサービスを提供している。主なセグメントは、モバイル向け、固定電話向け、ビジネスフォン向けのフィルタサービスである。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：特殊詐欺やフィッシング詐欺の増加に伴い、迷惑情報フィルタサービスの需要は高まっている。特に高齢者を狙った詐欺が多発しており、社会的なニーズが強い。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しているが、トビラシステムズは独自のデータベースと技術力を活かし、差別化を図っている。
・既存競合他社について：競合には、他のセキュリティ企業や通信キャリアが含まれ、特に大手通信キャリアは自社のサービスにフィルタ機能を組み込むことで競争力を高めている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、テクノロジーの進化により、スタートアップ企業が新たなサービスを提供する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、ユーザーが自ら設定できるフィルタリングアプリや、他社のセキュリティソフトウェアが考えられるが、トビラシステムズのサービスは特化した機能を持つため、競争優位性がある。

2. 当期業績の内容

2024年10月期の売上高は2,405百万円で、前期比16.7％増加した。営業利益は831百万円、経常利益は829百万円、当期純利益は601百万円で、いずれも前年同期比で増加している。特に、当期純利益は前期の60.8％増から16.2％増に減少したが、全体的には堅調な成長を維持している。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年10月期の業績予想は、売上高2,650百万円（前期比10.1％増）、営業利益832百万円（前期比0.0％増）、経常利益831百万円（前期比0.2％増）、当期純利益554百万円（前期比8.0％減）を見込んでいる。リスク要因としては、競争の激化や新規参入の可能性、経済環境の変化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は、2024年10月期において期末配当金が20円に設定され、配当性向は34.6％である。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。次期も同様の配当額を見込んでいる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。