みずほフィナンシャルグループの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、銀行・信託・証券を一体的に運営する持株会社であり、以下のセグメントに分かれている。リテール・事業法人カンパニー、コーポレート＆インベストメントバンキングカンパニー、グローバルコーポレート＆インベストメントバンキングカンパニー、グローバルマーケッツカンパニー、アセットマネジメントカンパニー。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の経済回復に伴い、金融サービスへの需要が増加している。特に、企業向け融資や資産運用サービスの需要が高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にサービスを拡充しており、特にデジタルバンキングやフィンテック企業の台頭が顕著である。これにより、顧客の選択肢が増え、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：大手銀行や証券会社が競争相手であり、特に三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが強力な競争相手である。これらの企業は、広範なネットワークと多様なサービスを提供している。
・新規参入企業について：フィンテック企業やデジタルバンクが新たに市場に参入しており、特に若年層をターゲットにしたサービスが増加している。これにより、従来の金融機関にとって脅威となっている。
・代替品について：暗号資産やクラウドファンディングなど、従来の金融サービスに代わる新しい選択肢が増えている。これにより、顧客の資金調達や投資の方法が多様化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の経常収益は7,073,521百万円で、前年同期比14.8%の増加。経常利益は1,126,538百万円で27.6%の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は855,374百万円で33.1%の増加となった。前期と比較して、経常収益は大幅に増加したが、包括利益は637,001百万円で34.5%の減少を記録した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、親会社株主に帰属する当期純利益820,000百万円で20.7%の増加を見込んでいる。リスク要因としては、与信関係費用の増加や金利の変動、外国為替相場の変動が挙げられる。特に、金利上昇が融資需要に影響を与える可能性があるため、注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は130.00円であり、前期からの増加が見込まれている。配当の増加は、業績の改善に基づくものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。