マツモトの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は印刷業に属し、主に学校アルバム部門と一般商業印刷部門から成り立っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：個人消費の持ち直しが見られるものの、印刷業界全体ではペーパーレス化の進展や個人消費の伸び悩みが影響し、印刷需要は依然として低迷している。特に学校アルバム部門は卒業シーズンに売上が集中するため、季節的な変動が大きい。
・競争における供給の状況：印刷業界では高性能印刷設備を持つ企業が競争優位性を持つ。新技術の導入や設備更新が求められ、競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に高性能印刷設備の導入を進めており、価格競争が発生している。特に、学校アルバム市場では多くの企業が参入しており、競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は、デジタル印刷技術を活用した新しいサービスを提供することで市場に挑戦している。特に、オンラインでの受注が増加している。
・代替品について：デジタルメディアの普及により、印刷物の代替として電子書籍やオンラインアルバムが増加している。これにより、印刷物の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年4月期第2四半期の売上高は566百万円で、前年同期比6.8％減少した。主な要因は、学校アルバム部門の売上が12.6％減少したことにある。一般商業印刷部門は4.9％増加したが、全体の減少を補うには至らなかった。営業損失は497百万円、経常損失は488百万円、中間純損失は491百万円となり、いずれも前年同期より損失が増加した。

3. 次期業績予想の内容

2025年4月期の通期業績予想は、売上高2,417百万円、営業利益11百万円、経常利益13百万円、当期純利益7百万円とされている。リスク要因としては、物価上昇による消費への影響や海外景気の下振れリスクが挙げられる。また、印刷需要の低迷が続く場合、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は2025年4月期第2四半期も0.00円であり、前期から変更はない。業績が厳しい状況であるため、株主還元策としての配当の維持が求められるが、今後の業績改善が見込まれない限り、配当の増額は難しいと考えられる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。