エン・ジャパンの銘柄分析

1. 環境分析

エン・ジャパン株式会社は、主に人材関連サービスを提供する企業であり、以下のセグメントに分かれたビジネスを展開している。HR-Tech engage、人財プラットフォーム、国内求人サイト、国内人材紹介、国内その他、海外（インドIT派遣、ベトナム）。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：人材市場は依然として競争が激しく、特にIT関連職の需要が高まっている。企業のデジタル化が進む中で、専門的なスキルを持つ人材の確保が求められている。
・競争における供給の状況：人材供給は多様化しており、特にフリーランスやリモートワーカーの増加が見られる。これにより、企業はより柔軟な雇用形態を選択する傾向が強まっている。
・既存競合他社について：競合他社は多く、特に大手人材紹介会社や新興のHR-Tech企業が存在する。これらの企業は、テクノロジーを活用した効率的なサービスを提供しており、競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にAIを活用したマッチングサービスや、特定の業界に特化した人材紹介サービスが注目を集めている。
・代替品について：代替品としては、企業内での人材育成や、外部の教育機関によるスキルアッププログラムが挙げられる。これにより、企業は外部からの人材採用に依存しない選択肢を持つようになっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高32,512百万円（前年同期比1.7%減）、営業利益2,380百万円（前年同期比120.1%増）、経常利益2,139百万円（前年同期比59.2%増）、親会社株主に帰属する中間純利益5,194百万円（前年同期比570.1%増）であった。売上高は減少したものの、営業利益と経常利益は大幅に増加した。これは、投資事業の進展や広告宣伝費の効率化によるものである。前期との比較では、売上高が減少した一方で、利益面では大きな改善が見られた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高73,000百万円（前年同期比7.9%増）、営業利益8,100百万円（前年同期比56.9%増）、経常利益8,011百万円（前年同期比49.2%増）、親会社株主に帰属する当期純利益9,330百万円（前年同期比122.3%増）である。業績成長の根拠としては、HR-Tech engageや人財プラットフォームの成長が挙げられるが、国内外の経済環境の変化や競争の激化がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当金は0.00円であり、年間配当金は70.10円の予想である。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当の維持は、企業の財務基盤の強化と株主還元の意識を反映している。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。