築地魚市場の銘柄分析

1. 環境分析

築地魚市場株式会社は、水産物卸売業、冷蔵倉庫業、不動産賃貸業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：外食や観光、インバウンド関連消費が伸びており、業務筋への販売は順調に推移している。しかし、消費者の購買意欲は物価上昇の影響で低下している。
・競争における供給の状況：地球温暖化の影響で大衆魚の漁獲が減少し、円安による輸入水産物のコスト上昇が供給に影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境下で苦戦しており、特に物流費の高騰が利益を圧迫している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、業界全体の厳しい環境から新規参入は難しいと考えられる。
・代替品について：冷凍食品や加工食品の需要が高まっており、これらが代替品としての役割を果たしている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高29,272百万円（前年同期比5.8%増）、営業利益66百万円、経常利益95百万円、親会社株主に帰属する中間純利益74百万円であった。前年同期は営業損失19百万円であったため、業績は改善している。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高60,000百万円（前年比2.2%増）、営業利益350百万円、経常利益350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円である。リスク要因としては、物価上昇による消費マインドの低下、エネルギー価格や原材料費の高騰が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に35.00円の配当を予定している。前期からの変更はない。株主還元の姿勢は維持されている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。