ブシロードの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は「株式会社ブシロード」であり、主にエンターテイメント事業、スポーツ事業、マーチャンダイジング事業を展開している。エンターテイメント事業は、TCG（トレーディングカードゲーム）、コンテンツ、ライブエンタメ、アドユニットに分かれている。スポーツ事業は新日本プロレスやスターダムを含む。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：TCG市場は成長を続けており、特に新作カードゲームのリリースが需要を喚起している。モバイルゲームやコンソールゲームも人気が高く、特にアジア市場での需要が顕著である。
・競争における供給の状況：競合他社も新作TCGやデジタルコンテンツを積極的に展開しており、供給過剰の傾向が見られる。特に、海外の企業が日本市場に参入してきており、競争が激化している。
・既存競合他社について：大手TCGメーカーやゲーム開発会社が存在し、特に「遊戯王」や「ポケモンカード」などのブランドが強力な競争相手である。これらの企業は、長年のブランド力とファン基盤を持っている。
・新規参入企業について：新たなスタートアップ企業がTCG市場に参入しており、独自のテーマやキャラクターを持つカードゲームを展開している。これにより、消費者の選択肢が増え、競争がさらに激化している。
・代替品について：デジタルゲームやモバイルアプリが代替品としての役割を果たしており、特に若年層の消費者に人気がある。これにより、従来のTCGの需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年6月期第1四半期の業績は、売上高12,273百万円（前年同四半期比5.9％増）、営業利益510百万円（同17.8％減）、経常損失6百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益59百万円（同80.2％減）であった。売上高は前年を上回ったものの、営業利益と純利益は大幅に減少した。これは、営業費用の増加や為替差損が影響したためである。

3. 次期業績予想の内容

2025年6月期の業績予想は、売上高49,000百万円（前年同期比5.9％増）、営業利益2,000百万円（同126.6％増）、経常利益2,000百万円（同5.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円（同24.2％増）を見込んでいる。新作TCGのリリースやコンテンツの展開が業績を押し上げる要因とされているが、競争の激化や市場の変動がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年6月期の予想配当は変わらず、期末に4.50円を予定している。前期からの変更はないが、業績の変動により将来的な配当方針が見直される可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。