フクビ化学工業の決算短信<2025年３月期　第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

フクビ化学工業株式会社は、建材事業、CSE事業、精密事業、グローバル事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅市場は持ち家や分譲住宅の減少が続いており、新設住宅着工戸数が前年同期比で減少している。非住宅建築分野でも職人不足が影響し、需要が停滞している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費や物流費の高止まりが続いており、企業はコスト管理に苦慮している。特に、断熱材や高性能建材の需要が高まる中で、供給体制の強化が求められている。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の市場環境の中でコスト削減や新製品開発に注力しており、特に環境配慮型製品の開発が進んでいる。
・新規参入企業について：新規参入企業は、環境意識の高まりを背景に、リサイクル素材を使用した製品を提供する企業が増加している。これにより、競争が激化している。
・代替品について：代替品としては、リサイクル材や新素材が注目されており、特に環境負荷の低い製品が消費者に支持されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が196億12百万円で前年同期比0.2％の増収となったが、営業利益は635百万円で同17.6％減、経常利益は700百万円で同29.8％減、親会社株主に帰属する中間純利益は472百万円で同30.9％減となった。利益面では、棚卸資産評価に係る見積りの変更が影響し、売上原価が増加したことが主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高408億円、営業利益180億円、経常利益213億円、親会社株主に帰属する当期純利益172億円を見込んでいる。リスク要因としては、材料費や物流費の高止まり、人的資本投資に伴う人件費増が挙げられるが、独自の技術を活かした製品開発や原価低減施策を推進することで収益性を高める方針である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末の配当金が10.50円であり、前期の15.50円から減少している。これは、業績の減少を受けたものであり、株主還元の観点から慎重な判断が求められる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。