瀧上工業の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：鋼構造物製造事業では、公共工事や民間工事の需要が堅調であるが、コスト上昇が影響している。不動産賃貸事業は新築マンションの入居開始により安定した需要が見込まれるが、全体的な賃貸市場は横ばい。材料販売事業は、鋼材価格の上昇に伴い需要が増加しているが、薄板加工の需要は低迷している。
・競争における供給の状況：鋼構造物製造業界は競争が激化しており、特にコスト管理が重要視されている。材料販売事業では、供給過剰の影響が見られるが、特定の取引先に依存する傾向がある。
・既存競合他社について：競合他社は、特に鋼構造物製造事業において多く存在し、価格競争が激化している。大手企業が市場シェアを拡大しているため、中小企業は厳しい状況にある。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特定のニッチ市場においては新たな競合が現れる可能性がある。特に環境配慮型の製品を提供する企業が注目されている。
・代替品について：代替品としては、プレファブ工法や新素材の使用が進んでおり、特に環境意識の高まりから代替材料の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が108億6,900万円で前年同期比0.8％増加したが、営業損失は3億2,000万円となり、前年同期の営業利益340万円から大きく悪化した。経常利益は1,300万円で前年同期比97.8％減少し、親会社株主に帰属する中間純利益は0百万円となった。業績予想との乖離は、特に鋼構造物製造事業におけるコスト増加が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高23,500百万円、営業利益0百万円、経常利益450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料費の高騰や人件費の上昇、競争の激化が挙げられる。特に、鋼構造物製造事業における利益率の低下が懸念されている。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末においても50円の配当を維持している。前期からの変更はないが、業績の悪化に伴い、将来的な配当の見直しが必要になる可能性がある。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績の悪化と次期業績予想の不透明感が影響し、投資家の信頼感が低下する可能性が高い。