フィスコの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は情報サービス事業、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は個人消費やインバウンド需要の回復により緩やかな回復傾向にあるが、グローバルな地政学リスクやインフレの影響で先行き不透明な状況が続いている。特に情報サービス事業では、法人向けサービスの需要が減少している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しており、特に情報サービス分野では競争が激化している。広告代理業においても、デジタル広告の普及により競争が増している。
・既存競合他社について：情報サービス事業では、他の大手情報提供企業が存在し、価格競争やサービスの差別化が求められている。広告代理業では、特にデジタル領域での競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業が増加しており、特に暗号資産関連のスタートアップが多く見られる。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：情報サービスや広告代理業においては、無料の情報提供サービスやSNS広告などが代替品として存在し、顧客の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は622百万円で、前年同期の704百万円から11.6%減少した。営業損失は334百万円、経常損失は333百万円、四半期純損失は504百万円となり、前年同期の302百万円の損失から悪化した。業績予想との乖離は、特に暗号資産市場の低迷が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高857百万円、営業利益△332百万円、経常利益△331百万円、当期純利益△503百万円とされている。リスク要因としては、暗号資産市場のボラティリティや、グローバルな経済不安が挙げられる。特に、暗号資産関連の評価損が業績に大きな影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の配当予想は未定であり、前期からの変更はない。株主還元策としては、自社株買いの計画も見られないため、今後の業績回復が期待される。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。