ブイキューブの決算短信<2024年12月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、エンタープライズDX事業、イベントDX事業、サードプレイスDX事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタル化の進展により、企業のリモートワークやオンラインイベントの需要が高まっている。特に、企業向けの防音型個室ブースやWeb会議システムの需要が増加しているが、国内の大口顧客の案件減少が影響している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しており、価格競争が激化している。特に、米国市場においては、TEN Events, Inc.の回復が見られるが、国内市場では競争が厳しい。
・既存競合他社について：主要な競合には、同様のDXサービスを提供する企業が存在し、特にWeb会議システムやイベント配信サービスにおいては競争が激しい。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にテクノロジー企業が参入している。これにより、サービスの多様化が進んでいるが、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の対面イベントや会議が挙げられる。特に、コロナ禍の影響でオンライン化が進んだが、対面でのコミュニケーションを重視する企業も多く、代替品の影響が見られる。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高7,802百万円で前年同期比3.8％減少した。主な要因は、国内のイベントDX事業における大口顧客の案件減少である。営業損失は131百万円で前年同期より改善したが、依然として損失が続いている。経常損失は267百万円で、前年同期比で悪化している。四半期純損失は684百万円で、前年同期の475百万円から増加した。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高11,400百万円、営業利益300百万円、経常利益200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円とされている。リスク要因としては、国内市場の競争激化や大口顧客の案件減少が挙げられる。また、TEN Holdings, Inc.におけるIPO関連費用の影響も懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の配当予想は0円であり、前期から変更はない。株主還元策としては、自社株買いの実施が検討されているが、業績の回復が前提となる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいとなる見込みである。