ニックスの決算短信<2024年９月期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密部品、生産設備治具、その他（金型）というセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅設備業界やカーエレクトロニクス業界、OA機器業界での需要が低迷しており、全体的な売上高に影響を与えている。特に、顧客の設備投資意欲の減少が顕著である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の市場環境にあり、供給過剰の状況が続いている。これにより、価格競争が激化し、利益率の圧迫が懸念される。
・既存競合他社について：精密プラスチック部品市場には数社が参入しており、当社は一定の市場シェアを有しているが、競争が激化しているため、シェア維持が課題である。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、業界の魅力から新規参入の可能性はある。特に、技術革新を持つ企業が参入することで競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：プラスチック部品の代替品として金属部品や新素材が考えられ、これらの技術革新が進むことで市場シェアに影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の連結業績は、売上高4,386百万円（前期比2.9%減）、営業利益216百万円（前期比35.0%減）、経常利益207百万円（前期比30.5%減）、親会社株主に帰属する当期純利益182百万円（前期比16.2%増）であった。売上高の減少は、主に需要の低迷と原材料費の高騰によるものである。前期との比較では、営業利益と経常利益が大幅に減少したが、当期純利益は増加している。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高4,400百万円、営業利益245百万円、経常利益240百万円、親会社株主に帰属する当期純利益170百万円である。円高懸念が影響しているが、NIXAMⓇ応用製品の開発・拡販や生産能力の強化に注力することで、業績の回復を目指す。リスク要因としては、競争の激化や海外市場の不安定性が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、当期も1株当たり20円の普通配当を予定しており、次期も同額を予定している。配当の安定性を重視し、株主還元を継続する方針である。配当性向は前期から若干の減少が見込まれるが、内部留保資金の活用も考慮されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。