キャリアデザインセンターの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は人材サービス事業を展開しており、主なセグメントはメディア情報事業、人材紹介事業、新卒メディア事業、新卒紹介事業、IT派遣事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：求人環境は一部回復の兆しが見られるが、採用基準の厳格化や内定辞退の増加により、成約件数の伸びが鈍化している。特に人材紹介事業では、採用内定率が低下しており、成約件数が減少している。
・競争における供給の状況：人材供給は依然として厳しい状況が続いており、特にITエンジニアの需要は高いが、供給が追いついていない。企業は採用基準を厳格化しており、求職者のマッチングが難しくなっている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境に直面しており、特に人材紹介やIT派遣事業においては競争が激化している。各社は新規顧客の開拓やサービスの差別化に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは見られるが、既存の大手企業に対抗するためには、独自のサービスや強みを持つ必要がある。特にIT関連の人材サービスは新規参入が増えている。
・代替品について：オンラインプラットフォームやAIを活用したマッチングサービスが代替品として台頭しており、従来の人材紹介サービスに対する競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の業績は、売上高が17,734百万円（前年同期比2.0％増）、営業利益が1,432百万円（前年同期比9.6％減）、経常利益が1,438百万円（前年同期比8.8％減）、当期純利益が984百万円（前年同期比15.4％減）となった。業績は採用単価の高い人材紹介事業の成約件数の伸びが鈍化したことが主な要因であり、特に新卒紹介事業では登録者の減少が影響した。前期の業績予想を大幅に下回る結果となった。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高19,000百万円、営業利益1,762百万円、経常利益1,750百万円、当期純利益1,180百万円を目指している。下半期には求人企業の採用要件の緩和が進むと見込まれており、業績の回復が期待される。ただし、IT派遣事業の無期雇用では経常損失が拡大するリスクがある。全体としてはコスト抑制を図りつつ、成長を加速させる方針である。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年9月期の期末配当が90円に設定され、前期の70円から増加した。配当性向は50.3％となり、株主還元を重視する姿勢が見られる。2025年9月期の予想配当は95円であり、引き続き株主還元を継続する方針である。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場環境や競争状況により変動する可能性はあるが、安定した業績が期待される。