ビーグリーの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、プラットフォームセグメントとコンテンツセグメントの2つの主要なビジネス区分を持つ。プラットフォームセグメントは、主にコミック配信サービス「まんが王国」を中心に展開しており、コンテンツセグメントはデジタルおよび紙出版を含む。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：電子出版市場は拡大傾向にあり、特にデジタルコンテンツの需要が高まっている。インプレス総合研究所によると、2024年度の電子書籍市場の成長率は約5％と予測されている。
・競争における供給の状況：競合他社も電子出版市場に参入しており、特に大手出版社がデジタルコンテンツの強化を進めている。供給過剰の状況が見られるが、質の高いコンテンツを提供する企業が優位に立つ。
・既存競合他社について：主要な競合には、他の電子書籍プラットフォームや大手出版社が含まれ、特に「BookLive」や「Kindle」などが強力な競争相手である。
・新規参入企業について：新たなスタートアップ企業が増加しており、特に特定のニッチ市場を狙ったサービスが登場している。これにより競争が激化している。
・代替品について：紙出版の需要は減少しているが、オーディオブックや動画コンテンツなどの代替品が増えており、特に若年層の消費者に人気がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は14,256百万円で前年同期比1.4％減少した。営業利益は1,411百万円で11.0％増、経常利益は1,370百万円で11.3％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は724百万円で17.6％増となった。売上高の減少は、プラットフォームセグメントの「まんが王国」の売上が前年同期比3.5％減少したことが影響している。一方、コンテンツセグメントはデジタル出版の成長により売上が10.9％増加した。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の連結業績予想は、売上高20,118百万円、営業利益1,846百万円、経常利益1,804百万円、親会社株主に帰属する当期純利益925百万円とされている。成長の根拠としては、電子出版市場の拡大と新たなコンテンツの投入が挙げられる。ただし、リスク要因としては、競争の激化や円相場の不安定さ、インフレによるコスト上昇が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は17.00円であり、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、利益剰余金の増加によるもので、株主還元の強化を図る姿勢が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。