ネットスターズの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はフィンテック事業の単一セグメントである。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内のキャッシュレス決済市場は政府の推進により拡大しており、2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%に達した。インバウンド需要の回復もあり、消費者のキャッシュレス決済への移行が進んでいる。
・競争における供給の状況：競合他社もキャッシュレス決済サービスを提供しており、技術革新やサービスの多様化が進んでいる。特に、モバイル決済やQRコード決済の普及が顕著である。
・既存競合他社について：主要な競合には、PayPayやLINE Payなどがあり、これらは市場シェアを拡大している。競争が激化する中で、各社は独自のサービスやキャンペーンを展開している。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にスタートアップ企業が新しい技術やサービスを持ち込んでいる。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：クレジットカードやデビットカード、現金などの従来型決済手段が依然として存在しており、特に高齢者層には現金利用が根強い。これらの代替品がキャッシュレス決済の普及に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は2,723百万円で、前年同期比3.8%減少した。営業損失は209百万円、経常損失は138百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は151百万円であった。前年同期と比較して、売上高は減少したが、経常損失は改善している。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高3,937百万円、営業損失166百万円、経常損失92百万円、親会社株主に帰属する当期純損失106百万円とされている。リスク要因としては、海外経済の減速や為替変動、エネルギー価格の上昇が挙げられる。特に、インバウンド需要の回復が業績に与える影響が注視される。

4. 投資に関する事項

配当は2024年12月期も0円のままであり、前期から変更はない。配当を行わない理由は、業績の不振によるもので、株主還元の観点からも慎重な姿勢が求められている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。