ｒａｋｕｍｏの銘柄分析

1. 環境分析

rakumo株式会社は、ITビジネスソリューション事業を展開しており、主に企業向けのグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」などを提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：企業の生産性向上や業務効率化、テレワーク、デジタルトランスフォーメーション（DX）に関連したシステムへの投資需要が拡大している。ポストコロナの新しい働き方の定着により、テレワーク環境の整備やデジタル人材の育成が進められている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のソリューションを提供しており、特にSaaS型サービスの普及が進んでいる。市場には多くのプレイヤーが存在し、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、同様のグループウェアや業務効率化ツールを提供する企業があり、特に大手IT企業が強力な競争相手となっている。
・新規参入企業について：新たなスタートアップ企業が次々と市場に参入しており、革新的な機能やサービスを提供することで競争が激化している。
・代替品について：従来の業務管理手法や、他のクラウドサービス、オープンソースのソフトウェアなどが代替品として存在し、顧客の選択肢を広げている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高1,055百万円（前年同期比11.3％増）、営業利益266百万円（同13.9％増）、経常利益260百万円（同14.4％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益165百万円（同10.3％増）となった。前年同期と比較して、売上高及び利益が増加した要因は、テレワークやDX関連の需要増加に伴う製品の販売強化が寄与したためである。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高1,436百万円（前年比10.9％増）、営業利益406百万円（同21.6％増）を見込んでいる。主な根拠は、rakumo製品の価格改定や新機能の追加、業界特化型マーケティング施策の効果が期待されるためである。ただし、Googleの再販プログラム変更や海外経済の不透明感がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

当社は、初めての剰余金配当を開始する方針を示しており、2024年12月期の配当は1株あたり6.00円を予定している。これは、売上高及び営業利益が過去最高を更新する見込みであることを受けたもので、成長投資を行いつつも株主還元を実施することが可能と判断したためである。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。