フジコピアンの銘柄分析

1. 環境分析

フジコピアン株式会社は、主に印字記録媒体および事務用消耗品関連事業とプラスチック成形関連事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場では、インバウンド需要の回復や企業の設備投資が進む中、サーマルトランスファーメディアやテープ類において需要回復の兆しが見られるが、全体的には依然として力強さに欠ける状況が続いている。
・競争における供給の状況：原材料やエネルギーコストの高止まりが影響し、供給側も厳しい状況が続いている。特に、プラスチック成形関連事業では取引先の需要が落ち込んでいる。
・既存競合他社について：競合他社は新製品の開発やコスト削減に注力しており、特にサーマルトランスファーメディア市場では競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、技術革新や新製品の投入が求められる市場であるため、参入の可能性はある。
・代替品について：デジタル化の進展により、印字記録媒体の需要は減少傾向にあり、代替品としてのデジタルソリューションが台頭している。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が64億4千4百万円で前年同期比8.0％増加した。営業損失は3億1千万円、経常損失は2億9千1百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億4千2百万円となった。前年同期と比較して、売上は増加したものの、依然として損失が続いている。特に、営業損失は前年同期の5億4千5百万円から改善されたが、依然として厳しい状況である。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期連結業績予想は、売上高が91億円、営業利益が6億円、経常利益が14億円、親会社株主に帰属する当期純利益が4億円とされている。業績予想の根拠としては、新製品の開発や市場開拓の進展が挙げられるが、原材料価格の高止まりや需要回復の遅れがリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は63円であり、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、業績改善の期待に基づくものであるが、実際の業績が予想を下回った場合には見直しが必要となる可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。