日本電解の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はリチウムイオン二次電池（LIB）用銅箔および回路基板用銅箔を主なビジネスセグメントとしている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：リチウムイオン二次電池市場は、特にHEV（ハイブリッド電気自動車）向けの需要が好調である一方、BEV（バッテリー電気自動車）市場は北米での低迷が影響している。回路基板市場では、スマートフォンの販売が鈍化しているが、AIサーバ市場は成長を続けている。
・競争における供給の状況：銅箔市場では、海外の競合他社との価格競争が激化しており、特に成熟市場においては価格圧力が強い。
・既存競合他社について：国内外の銅箔メーカーが競争相手であり、特に海外メーカーが価格競争を仕掛けている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られないが、技術革新を持つ企業が市場に参入する可能性はある。
・代替品について：代替品としては、他の材料を使用した電池や基板が考えられるが、現時点では銅箔の代替品は広く普及していない。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高8,811百万円（前年同期比2.7％増）、営業損失1,051百万円、経常損失1,465百万円、親会社株主に帰属する中間純損失5,091百万円となった。前年同期と比較して売上高は増加したが、利益面では販売数量の減少や銅価格の急騰が影響し、赤字が拡大した。特に、米国子会社への貸付金に対する評価替えや新工場関連の減損損失が影響した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高19,000百万円（前年同期比14.1％増）、営業損失1,050百万円、経常損失1,660百万円、親会社株主に帰属する当期純損失5,290百万円とされている。リスク要因としては、米国市場の不透明感や原材料価格の変動、為替リスクが挙げられる。特に、米国新工場の建設延期が業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末においても配当は行われていない。前期からの変更はなく、今後の業績回復に向けた取り組みが求められる。株主還元策としては、資本業務提携契約を締結し、資金調達を進める方針が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が赤字であり、次期業績予想も厳しい状況であるため、投資家の信頼感が低下する可能性が高い。