ＦＦＲＩセキュリティの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、ナショナルセキュリティセクター、パブリックセクター、プライベートセクター、ソフトウェア開発・テスト事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：安全保障関連のセキュリティサービスの需要が増加しており、特に政府機関や防衛産業向けの案件が増えている。経済安全保障に対する政府の取り組みが需要を後押ししている。
・競争における供給の状況：エンジニアの待遇向上や採用活動の強化により、コストが増加しているが、これにより質の高いサービスを提供できる体制が整いつつある。
・既存競合他社について：競合他社も同様に安全保障関連のサービスを提供しており、特に大手企業が市場において強い影響力を持っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、セキュリティ分野の成長に伴い、参入の可能性が高まっている。特にテクノロジー企業が新たなサービスを提供する動きが見られる。
・代替品について：代替品としては、他のセキュリティソフトウェアやサービスが考えられるが、特に国家安全保障関連のニーズに特化したサービスは代替が難しい。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が1,044百万円で前年同期比9.6%増加した。営業利益は△13百万円で、前年同期の52百万円から大きく減少した。コストの増加が影響しており、特にエンジニアの待遇向上が要因となっている。下期に案件が集中する傾向が続いており、業績予想との乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高3,158百万円、営業利益515百万円を見込んでいる。安全保障関連の案件増加を見込み、ナショナルセキュリティセクター及びパブリックセクターの成長が期待される。ただし、エンジニアの待遇向上や採用コストの増加がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は、2025年3月期も1株当たり10.00円を維持する見込みで、配当性向は18.3%となる。株主還元の継続的な実施が可能であるとの判断から、安定的な利益還元を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。