クロス・マーケティンググループの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタルマーケティング市場は顧客企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）への投資が活発であり、需要は堅調に推移している。特にオンラインリサーチやプロモーション支援の需要が高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にデジタル領域へのシフトを進めており、サービスの多様化が進んでいる。これにより、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：国内外の大手企業が競争相手となっており、特にデジタルマーケティング領域では新興企業も増加している。競争が激化する中で、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業が増加しており、特にテクノロジーを活用した新しいサービスが登場している。これにより、既存企業は競争力を維持するための革新が必要となっている。
・代替品について：従来のマーケティング手法に代わる新しい手法が増えており、特にSNSやインフルエンサーを活用したマーケティングが注目されている。これにより、従来のリサーチ手法の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年6月期第1四半期の売上高は6,762百万円で前年同期比20.1％増加した。営業利益は356百万円、経常利益は295百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は142百万円となり、前年同期の損失から大きく改善した。業績の改善は、デジタルマーケティング事業の成長とデータマーケティング事業の堅調な需要によるものである。前期との比較では、売上高が1,133百万円増加し、営業利益は373百万円の改善を見せた。

3. 次期業績予想の内容

2025年6月期の業績予想は、売上高30,000百万円、営業利益3,000百万円、経常利益2,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円とされている。これらは前期比でそれぞれ14.6％、62.7％、51.6％、50.9％の増加を見込んでいる。リスク要因としては、国内外の経済情勢の不透明さや競争の激化が挙げられる。特に、顧客企業の投資意欲が減退する可能性があり、これが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年6月期の予想配当金は年間14.00円であり、前期の13.00円からの増加が見込まれている。配当額の増加は、業績改善に伴う株主還元の一環として行われる。自社株買いについては、209,300株の自己株式を取得しており、株主価値の向上を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が改善し、次期業績予想も成長が見込まれるため、投資家の期待感が高まり株価にポジティブな影響を与えると考えられる。