日建工学の銘柄分析

1. 環境分析

日建工学株式会社は、型枠貸与事業と製品販売事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：公共投資は底堅く推移しているが、災害復旧事業の減少により需要は減少傾向にある。特に、河川用護岸ブロックや土木シート製品の出荷量が減少している。
・競争における供給の状況：建設資材価格の上昇や労務費の高騰が影響し、供給側も厳しい状況にある。特に、資材の調達コストが上昇しているため、企業の利益率に影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、公共事業に依存する企業は、受注の減少に苦しんでいる。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存企業の効率化やコスト削減の取り組みが進む中で、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、プレキャストコンクリート製品や他の建設資材が考えられるが、品質やコスト面での競争が影響している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の売上高は2,275百万円で前年同期比18.6％減少した。営業利益は71百万円で前年同期比17.8％増加したが、経常利益は91百万円で20.7％減少し、親会社株主に帰属する中間純利益は56百万円で31.3％減少した。前期との比較では、売上高の減少が顕著であり、特に製品販売事業の業績が悪化している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高5,600百万円、営業利益240百万円、経常利益280百万円、親会社株主に帰属する当期純利益210百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格の高止まりや公共投資の動向、労務費の上昇が挙げられる。特に、ウクライナ情勢や中東情勢の影響が業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当額は0.00円であり、通期予想では30.00円を見込んでいる。前期からの変更はないが、業績の悪化に伴い、将来的な配当の維持が難しくなる可能性がある。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績の悪化が続く中で、投資家の信頼感が低下し、株価にネガティブな影響を与える可能性が高い。