テノ．ホールディングスの決算短信<2024年12月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、保育事業、介護事業、生活関連支援事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：少子化が進行する中、保育施設の需要は高まっている。政府の少子化対策により、保育の受け皿整備が求められており、特に共働き世帯の増加に伴う保育ニーズが顕著である。
・競争における供給の状況：保育事業においては新規開設が進んでいるが、労務費や経費の増加が影響している。介護事業では、子会社化や事業譲受により供給が増加しているが、開設準備費用が負担となっている。
・既存競合他社について：競合他社も新規施設の開設を進めており、特に大手企業が市場シェアを拡大している。質の高いサービスを提供する企業が競争優位性を持つ。
・新規参入企業について：少子化対策の強化に伴い、新規参入企業が増加している。特に地域密着型のサービスを提供する企業が注目されている。
・代替品について：保育サービスの代替として、家庭内保育やベビーシッターサービスが存在するが、質や安全性の面で保育施設の需要は依然として高い。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は11,889百万円で前年同期比10.7％増加したが、営業利益は28百万円で65.5％減少した。経常利益も17百万円で81.4％減少し、親会社株主に帰属する四半期純損失は72百万円となった。前年同期は60百万円の利益であったため、業績は大きく悪化している。主な要因は、労務費や経費の増加、広告費の初期投資が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は変更なしで、通期売上高は15,880百万円、営業利益は155百万円、経常利益は138百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は32百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原料・エネルギー価格の高騰、為替相場の変動、競争の激化が挙げられる。特に、労務費の上昇が利益を圧迫する可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当は9.00円で、前期から変更はない。配当維持の理由は、安定したキャッシュフローを確保し、株主還元を重視する姿勢によるものである。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。