テモナの銘柄分析

1. 環境分析

テモナ株式会社は、主にEC支援事業とエンジニアリング事業の2つのセグメントで構成されている。EC支援事業では、サブスクリプションビジネスに特化したECサイトの構築や運営支援を行い、エンジニアリング事業ではシステム開発の受託サービスを提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内電子商取引市場は緩やかな成長を続けており、特にBtoC-EC市場は前年比9.23%増の24.8兆円に達している。サブスクリプションビジネスの需要も高まっているが、競争が激化しているため、顧客の獲得が難しくなっている。
・競争における供給の状況：多くの企業がEC支援サービスを提供しており、特に大手企業が市場シェアを拡大している。これにより、価格競争が激化し、利益率が圧迫されている。
・既存競合他社について：競合には、同様のEC支援サービスを提供する企業が多数存在し、特に大手IT企業が強力な競争相手となっている。これらの企業は、豊富な資金力と技術力を背景に、顧客の獲得を進めている。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にニッチな市場を狙ったスタートアップが目立つ。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の店舗販売や他のオンラインプラットフォームが挙げられる。特に、SNSを活用した販売手法が注目されており、これがEC市場に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の連結業績は、売上高1,825百万円で前年同期比22.0%減、営業損失56百万円、経常損失58百万円、親会社株主に帰属する当期純損失393百万円となった。前年同期は売上高2,341百万円であったため、業績は大きく悪化している。主な原因は、サービス利用アカウント数の減少や受託開発収益の伸び悩みである。前期との差異として、売上高の減少が顕著であり、業績予想との乖離も見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高1,918百万円（前期比5.1%増）、営業利益66百万円、経常利益63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益32百万円とされている。予想の根拠としては、サブスクリプションビジネスの需要が引き続き高まること、既存サービスの機能強化が挙げられる。しかし、経済環境の不透明さや競争の激化がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年9月期も配当金は支払われていない。2025年9月期の予想も同様であり、株主還元に関する具体的な計画は示されていない。配当が行われない理由としては、業績の悪化が影響していると考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。