カイオム・バイオサイエンスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、創薬事業と創薬支援事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の製薬市場は成長を続けており、特にがん治療薬の需要が高まっている。新薬開発に対する投資も増加しており、創薬支援事業においても新規顧客の獲得が期待される。
・競争における供給の状況：競合他社も新薬開発に注力しており、特にバイオ医薬品の開発が進んでいる。技術革新が進む中で、競争が激化している。
・既存競合他社について：大手製薬会社やバイオテクノロジー企業が多く存在し、特に抗体医薬品の開発においては競争が厳しい。小野薬品や中外製薬などの大手が主要な競合となる。
・新規参入企業について：新興企業が増加しており、特にAIを活用した創薬支援や新しい治療法の開発を行う企業が注目されている。これにより市場の競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：従来の治療法に加え、遺伝子治療や免疫療法などの新しい治療法が登場しており、これらが代替品としての役割を果たす可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高422百万円、営業利益は920百万円の損失、経常利益は914百万円の損失、四半期純利益は915百万円の損失となった。前年同期と比較して売上高は19.3%減少し、営業損失は前年の905百万円から増加した。業績予想との乖離は、創薬支援事業における新規顧客の受注案件の進捗が見られたものの、既存顧客の取引減少が影響した。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、創薬事業における合理的な業績予想の算定が困難であるため、創薬支援事業の売上高720百万円のみ公表されている。リスク要因としては、地政学的リスクや資源価格の高止まり、円安の影響が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響は不透明であり、慎重な見通しが求められる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の配当予想は0円であり、前期から変更はない。株主還元に関しては、業績の回復が見込まれるまで自社株買いなどの施策は行われない見込みである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。