アイコムの銘柄分析

1. 環境分析

アイコム株式会社は、無線通信機器を中心としたビジネスを展開している。主なセグメントは、陸上業務用無線通信機器、海上用無線通信機器、航空用無線通信機器、アマチュア用無線通信機器、電子部品などである。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場ではIP無線機の需要が堅調であり、ストックビジネスが成長している。一方、海外市場では地政学的リスクや経済減速の影響を受けている。
・競争における供給の状況：一部の主要部品の納期が長期化しており、供給面での課題が残っている。特に、部材調達の難しさが影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境にあり、特に価格競争が激化している。特定小電力無線機では価格攻勢が影響している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、無線通信機器市場は技術革新が進んでおり、新たな競争が生じる可能性がある。
・代替品について：無線通信機器の代替品としては、スマートフォンやインターネット通信が考えられるが、特定の用途においては無線通信機器の需要が依然として高い。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の売上高は178億9千8百万円で、前年同期比1.1％減少した。営業利益は16億7百万円で0.4％の増加、経常利益は14億6千6百万円で40.8％減少した。親会社株主に帰属する中間純利益は10億5千万円で42.4％減少した。前年同期の業績と比較すると、特に経常利益と純利益の減少が目立つ。これは、為替差損や子会社化による投資利益の減少が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高38,000百万円、営業利益3,500百万円、経常利益3,800百万円、親会社株主に帰属する純利益2,800百万円とされている。リスク要因としては、為替の変動、地政学的リスク、部材調達の難しさが挙げられる。特に、為替の影響が業績に大きく影響する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期の配当額は25.00円で、前年同期と同水準である。次期の配当予想は54.00円で、前年からの増加が見込まれている。これは、業績回復の期待を反映したものである。

5. 株価予想

上記を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。