ホクリヨウの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は鶏卵の生産・販売を行っており、主なセグメントは鶏卵事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：鶏卵の需要は安定しているが、物価高や消費者の購買力低下が影響を及ぼしている。特に、業務用需要の回復が遅れているため、全体的な需要は低迷している。
・競争における供給の状況：鶏卵の供給は、鳥インフルエンザの影響から回復しつつあるが、夏の猛暑による産卵率の低下が影響している。供給の回復は見込まれるが、依然として不安定な状況である。
・既存競合他社について：競合他社も同様に鶏卵市場での競争が激化しており、価格競争が発生している。特に、コスト削減を図る企業が増えているため、利益率が圧迫されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存企業の競争が激化する中で、ニッチ市場を狙った新規参入が見込まれる。特に、オーガニックや高付加価値商品に対する需要が高まっている。
・代替品について：鶏卵の代替品としては、植物性の卵代替品や、他の動物性食品が挙げられる。これらの代替品は健康志向の高まりとともに需要が増加しており、競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高8,898百万円（前年同期比8.0％減）、営業利益352百万円（前年同期比81.0％減）、経常利益388百万円（前年同期比79.4％減）、中間純利益1,015百万円（前年同期比22.1％減）であった。前年同期に比べて売上高が減少した主な要因は、鶏卵相場の低迷と業務用需要の回復の遅れである。特別利益として「へい殺畜等手当金」を731百万円計上したことが中間純利益を押し上げた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高19,180百万円（前年比1.5％増）、営業利益1,370百万円（前年比39.0％減）、経常利益1,430百万円（前年比38.3％減）、当期純利益1,522百万円（前年比8.1％減）とされている。業績予想の根拠は、鶏卵の供給回復と市場の需要回復が期待されることにあるが、リスク要因としては、引き続き鳥インフルエンザの影響や、物価高による消費者の購買力低下が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想が54.00円に修正された。前期の配当額は40.00円であったため、増配となる。増配の理由は、特別利益の計上による利益の増加が背景にある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。