コーセーの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は化粧品事業、コスメタリー事業、その他の事業に分かれている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の化粧品市場は堅調に推移しているが、コロナ禍からの経済活動再開が一巡したことで成長率は緩やかになっている。特にインバウンド需要が好調である。アジア市場では、中国の個人消費が弱く、成長率が鈍化しているが、他のアジア諸国は市場規模が拡大している。米国市場は個人消費が堅調であるが、競争が激化している。
・競争における供給の状況：競合他社も新商品を投入し、マーケティング戦略を強化しているため、供給過剰の傾向が見られる。特に中国市場では、国内企業の台頭が影響している。
・既存競合他社について：国内外の大手化粧品メーカーが競争を繰り広げており、特にハイプレステージブランドにおいては、ブランド力が重要な要素となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にオンライン販売を通じて市場に参入しており、低価格戦略や独自のブランドストーリーを打ち出している。
・代替品について：スキンケアの簡略化が進んでおり、代替品としてのナチュラルコスメやオーガニック製品の需要が高まっている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高238,725百万円（前年同期比9.0％増）、営業利益18,815百万円（同17.4％増）、経常利益20,685百万円（同1.8％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益9,412百万円（同28.4％減）であった。売上高は日本およびタルトの好調により増加したが、中国市場の減収が影響した。前期と比較して、経常利益は為替差益の減少により減少した。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高320,000百万円（前期比6.5％増）、営業利益18,000百万円（同12.6％増）、経常利益21,100百万円（同4.2％増）、親会社株主に帰属する当期純利益8,000百万円（同31.4％減）とされている。リスク要因としては、中国市場の構造改革に伴う特別損失の計上や、為替の影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は2024年12月期も70.00円を予定しており、合計140.00円となる見込みである。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。