ＩＮＰＥＸの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、国内石油・天然ガス事業（国内O&G）、海外石油・天然ガス事業（海外O&G）－ イクシスプロジェクト、海外石油・天然ガス事業（海外O&G）－ その他のプロジェクトの3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：原油や天然ガスの需要は、世界的なエネルギー需要の増加に伴い堅調である。特にアジア地域では、経済成長によりエネルギー需要が高まっている。
・競争における供給の状況：供給側では、OPECや非OPEC諸国の生産調整が影響を与えている。特に、米国のシェールオイル生産の増加が供給過剰を引き起こす可能性がある。
・既存競合他社について：国内外の大手石油会社が競合しており、特に海外市場では、BPやシェルなどの国際的なプレイヤーが強力な競争相手となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、再生可能エネルギーや新技術を活用した企業が増えており、従来の石油・ガス業界に対する競争が激化している。
・代替品について：再生可能エネルギーの普及が進んでおり、特に太陽光や風力発電が代替エネルギーとして注目されている。これにより、長期的には化石燃料の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上収益が前年同期比9.1%増の1兆7475億円、営業利益は24.9%増の1兆180億円となった。原油売上収益は13.7%増の1兆3277億円で、販売数量の増加が寄与した。一方、天然ガス売上収益は3.5%減の3980億円であった。業績予想との乖離は、売上収益が予想を下回ったが、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8.7%増の2894億円で、予想を上回った。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上収益2243億円、営業利益1224億円、親会社の所有者に帰属する当期利益380億円と修正された。リスク要因としては、原油価格の変動、為替レートの影響、探鉱費の増加が挙げられる。特に、原油価格が下期に予想よりも低下する可能性があり、これが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は86円で、前期からの増加が見込まれている。これは、業績の改善に伴う株主還元の一環である。自己株式の消却も行われており、資本効率の向上が図られている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。