エブレンの銘柄分析

1. 環境分析

エブレン株式会社は、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っている。セグメントは単一であり、主に計測・制御分野、通信・放送分野、電子応用分野、交通関連分野、防衛関連分野に分かれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界経済は緩やかな回復基調にあるが、金融引締めや地政学リスクの影響で先行きが不透明。特に半導体製造装置への設備投資の凍結や延期が需要に影響を与えている。
・競争における供給の状況：供給側では、特に中国向けのレガシー装置の需要が堅調であるが、全体的には供給過剰感が漂っている。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の市場で活動しており、特に半導体製造装置関連の企業が多い。競争が激化しているため、価格競争が発生しやすい。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新により新たなプレイヤーが市場に参入する可能性がある。特にAIやIoT関連の企業が注目されている。
・代替品について：代替品としては、他の製造装置やソフトウェアソリューションが考えられ、特に自動化技術の進展により、従来の製品が脅かされる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高1,930百万円（前年同期比6.1％減）、営業利益188百万円（前年同期比34.5％減）、経常利益189百万円（前年同期比34.8％減）、親会社株主に帰属する中間純利益124百万円（前年同期比35.2％減）となった。業績の減少は、主に計測・制御分野の売上高減少によるもので、特に半導体製造装置への設備投資の凍結が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高4,100百万円（対前期増減率2.8％）、営業利益530百万円（9.1％増）、経常利益530百万円（8.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益350百万円（5.4％増）とされている。業績予想の根拠は、顧客の在庫消化が進むことによる新規注文の再開期待である。ただし、地政学リスクや原材料価格の高騰がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末の配当は0.00円であり、通期予想は40.00円となっている。前期からの変更理由は、業績回復の期待に基づくものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。