カーリットの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は化学品事業、ボトリング事業、金属加工事業、エンジニアリングサービス事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：化学品事業部門では、電子材料や機能材料の需要が回復しており、特にEVやAI関連の需要が増加している。ボトリング事業ではペットボトル飲料の需要が前年並みで推移しているが、設備復旧の遅れが影響している。金属加工事業は建設機械向けの需要が落ち込んでいる。エンジニアリングサービス事業は公共案件の獲得が好調である。
・競争における供給の状況：供給面では、化学品事業においては適正価格の反映が遅れており、利益率が低下している。ボトリング事業では設備の復旧が遅れており、生産数量が減少している。金属加工事業は製造コストの上昇が影響している。
・既存競合他社について：競合他社は、化学品事業においては新技術の開発やコスト競争力の強化を進めており、ボトリング事業では生産効率の向上を図っている。金属加工事業では、主要取引先の需要が落ち込んでいるため、競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に環境関連技術や新素材の開発に注力しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は、特に化学品事業において顕著であり、環境規制の強化により代替材料の需要が高まっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が18,045百万円で前年同期比2.1%の増加、営業利益は1,194百万円で13.7%の減少、経常利益は1,382百万円で11.6%の減少、親会社株主に帰属する中間純利益は951百万円で18.9%の減少となった。業績の減少は、化学品事業部門における利益率の低下やボトリング事業の生産数量減少が主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高38,000百万円、営業利益3,800百万円、経常利益4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,800百万円を見込んでいる。リスク要因としては、半導体市場の生産調整や自動車型式認証問題の影響が挙げられるが、全体的には国内経済の回復が期待されている。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当額は0.00円であり、通期予想では36.00円に設定されている。配当額の変更理由は、企業の収益性改善を目指すための再投資を優先するためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。