ＷＤＢホールディングスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は人材サービス事業とCRO（Contract Research Organization）事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：人材サービス業界では、労働市場の回復に伴い求人が増加しているが、完全失業率は安定しており、求人数は前年同期比でやや減少している。CRO事業においては、医療分野の研究開発需要が高まっており、特に新薬開発における外部委託の需要が増加している。
・競争における供給の状況：人材サービス業界では、競合他社も待遇改善を進めており、派遣社員の確保が難しくなっている。CRO事業では、専門性の高い人材が求められており、競争が激化している。
・既存競合他社について：人材サービス業界では、リクルートやパーソルなどの大手企業が存在し、価格競争が進んでいる。CRO事業では、グローバルな企業が多く、特に海外企業との競争が厳しい。
・新規参入企業について：人材サービス業界には新規参入が見られるが、ブランド力やネットワークの構築が難しく、競争が厳しい。CRO事業では、技術革新により新たな企業が参入する可能性があるが、専門知識が必要なため参入障壁は高い。
・代替品について：人材サービス業界では、AIや自動化技術の進展により、従来の人材派遣サービスに代わる新たなサービスが登場している。CRO事業では、内製化の動きが見られ、企業が自社で研究開発を行うケースが増えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高25,633百万円（前年同期比4.0％増）、営業利益2,603百万円（前年同期比2.1％減）、経常利益2,613百万円（前年同期比2.5％減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,324百万円（前年同期比10.7％減）となった。減益の主な要因は、派遣社員の待遇改善による売上原価の増加である。前期と比較して、売上高は増加したものの、利益は減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高51,800百万円（前年比5.1％増）、営業利益4,750百万円（前年比13.1％減）、経常利益4,770百万円（前年比13.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益2,970百万円（前年比16.3％減）である。業績予想に変更はなく、リスク要因としては、労働市場の変動や競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において24.00円の配当を予定しており、前期の29.00円から減少している。減配の理由は、利益の減少に伴う株主還元の見直しである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。