滋賀銀行の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、滋賀銀行であり、主なビジネスセグメントは銀行業務である。具体的には、貸出金業務、預金業務、有価証券運用、信託業務などが含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：地域経済の回復に伴い、貸出需要は増加傾向にあるが、金利の低下が影響し、収益性には課題が残る。特に中小企業向けの融資需要が高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に貸出金利を引き下げており、競争が激化している。特に地方銀行間での競争が顕著で、顧客獲得のためのサービス向上が求められている。
・既存競合他社について：滋賀銀行の主な競合には、地元の他の地方銀行や信用金庫があり、特に地域密着型のサービスを強化している。これにより、顧客の流出を防ぐための施策が必要である。
・新規参入企業について：フィンテック企業の台頭により、オンラインバンキングやデジタルサービスを提供する新規参入者が増加している。これにより、従来の銀行業務に対する競争が激化している。
・代替品について：代替的な金融サービスとして、クラウドファンディングやP2Pレンディングが注目されており、特に若年層を中心に利用が広がっている。これにより、従来の銀行サービスの需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、経常収益が60,493百万円で前年同期比2.9%の増加、経常利益は11,625百万円で35.7%の減少、親会社株主に帰属する中間純利益は8,748百万円で30.1%の減少となった。経常収益の増加は貸出金利息や有価証券利息配当金の増加によるものであるが、経常利益の減少は経常費用の増加が主因である。前期と比較して、経常利益は大幅に減少しており、業績予想との乖離が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、経常利益が23,000百万円で前期比4.0%の減少、親会社株主に帰属する当期純利益が16,000百万円で0.4%の増加を見込んでいる。経常利益の減少は、貸倒引当金の増加や資金調達費用の上昇が影響する可能性がある。リスク要因としては、金利の変動や地域経済の不透明感が挙げられ、これらが業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期の配当金は45円であり、前年同期の50円から減少している。これは、業績の減少を受けたものであり、株主還元の見直しが行われた結果である。次期も同様の配当水準が維持される見込みである。

5. 株価予想

上記の業績動向を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定する可能性が高い。