東北化学薬品の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。インダストリー、メディカル、アカデミア・ライフサイエンス。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内製造業はインバウンドの復活や季節的な特需により需要が堅調であるが、原材料やエネルギーの高騰が影響している。メディカル分野では新型コロナウイルスの影響で検査数が減少し、需要が減退している。アカデミア・ライフサイエンスでは大型案件の先送りが影響している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の高騰が続いており、製造コストが上昇している。これにより、企業は価格転嫁を試みるが、競争が激化しているため、容易ではない。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の製品を提供しており、価格競争が激化している。特に、メディカル分野では新規参入企業も増えており、競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にメディカル分野で増加しており、革新的な製品やサービスを提供することで市場シェアを獲得しようとしている。
・代替品について：代替品の存在は、特にメディカル分野で顕著であり、他の検査方法や製品が市場に出回っているため、需要が分散している。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の連結業績は、売上高32,155百万円、営業利益353百万円、経常利益407百万円、親会社株主に帰属する当期純利益237百万円であった。前年同期比で売上高は8.4％減、営業利益は53.0％減、経常利益は49.5％減、当期純利益は57.3％減となった。業績の悪化は、主に原材料費の高騰や新型コロナウイルスの影響による需要減少が原因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高33,700百万円、営業利益420百万円、経常利益490百万円、親会社株主に帰属する当期純利益310百万円を見込んでいる。前年同期比で売上高は4.8％増、営業利益は18.9％増、経常利益は20.1％増、当期純利益は30.6％増となる見込みである。リスク要因としては、ロシアウクライナ問題やエネルギー価格の上昇が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年9月期も前期同様に105円の配当を実施することが決定された。次期の配当金は100円を予定しており、これは利益の減少を反映したものである。配当政策は、株主還元を重視しつつ、内部留保を活用して事業拡大を図る方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。