日本エマージェンシーアシスタンスの決算短信<2024年12月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は医療アシスタンス事業とライフアシスタンス事業の2つの主要セグメントを持つ。医療アシスタンス事業は海外旅行保険の付帯サービス、法人向け医療アシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、救急救命アシスタンス事業、国際医療事業、訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンス事業、官公庁受託事業、EMIS代替サービス事業を含む。ライフアシスタンス事業は、主に生活支援サービスを提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：訪日外国人の急増により医療アシスタンス事業の需要が高まっているが、出国日本人数は新型コロナウイルス感染症前の水準には戻っていない。
・競争における供給の状況：医療アシスタンスサービスの供給は増加しているが、特に法人向けサービスは安定した需要が見込まれている。
・既存競合他社について：競合他社も同様のサービスを提供しており、特に医療アシスタンス分野では競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、医療関連サービスの需要増加に伴い、新たな競合が出現する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、海外旅行保険の他に、個別の医療サービスやオンライン医療相談サービスが考えられる。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は2,170百万円で、前年同期比23.7％減少した。営業利益は30百万円、経常利益は51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は35百万円で、いずれも前年同期比で大幅に減少した。特に、医療アシスタンス事業の売上高は前年同期比で27.6％減少し、官公庁受託事業の影響が大きい。ライフアシスタンス事業は前年同期比で8.3％増加したが、全体の業績には寄与しきれなかった。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高3,000百万円（前期比16.6％減）、営業利益70百万円（同59.6％減）、経常利益90百万円（同50.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円（同50.0％減）を見込んでいる。出国日本人数や訪日外客数の増加が期待されるが、官公庁関連事業の売上減少がリスク要因となる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の第2四半期末の配当が0.00円に変更され、期末の配当予想は未定である。これは、業績の悪化を受けたものであり、株主還元の方針が見直されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が大幅に減少していることから、投資家の信頼感が低下し、株価にネガティブな影響を与えると考えられる。