レーサムの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社レーサムは、資産価値創造事業、資産価値向上事業、未来価値創造事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：不動産市場は回復基調にあり、特に都市部のオフィスビルや商業施設に対する需要が高まっている。インバウンド需要の回復も影響し、宿泊業務が増加している。
・競争における供給の状況：新規物件の供給は増加しているが、特に高品質な物件に対する競争が激化している。供給過剰の懸念は薄いが、特定のエリアでは競争が厳しい。
・既存競合他社について：競合他社は多岐にわたり、特に大手不動産会社が強力な競争相手となっている。彼らは資本力があり、広範なネットワークを持つため、価格競争やサービスの質で優位に立つことが多い。
・新規参入企業について：新規参入企業は少数だが、特にテクノロジーを活用した不動産管理や販売のスタートアップが注目を集めている。これにより、従来のビジネスモデルに変革が求められる可能性がある。
・代替品について：不動産投資信託（REIT）やクラウドファンディングなどの代替投資手段が増えており、特に若年層の投資家に人気がある。これにより、従来の不動産投資の魅力が相対的に低下する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高48,162百万円（前年同期比24.0％増）、営業利益5,478百万円（同43.1％減）、経常利益4,609百万円（同51.2％減）、親会社株主に帰属する中間純利益3,325百万円（同46.5％減）であった。前年同期は粗利益率の高い物件販売が多かったため、増収減益となった。主力の資産価値創造事業は堅調に推移しており、通期業績予想の達成に向けて着実に進捗している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高115,000百万円（前年比22.0％増）、営業利益23,000百万円（0.8％増）、経常利益21,500百万円（△1.7％減）、親会社株主に帰属する当期純利益14,000百万円（21.6％増）である。業績予想に変更はなく、主に資産価値創造事業の成長が期待されている。ただし、物件販売の競争激化や市場の変動がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当額は0.00円であり、前期から変更はない。利益剰余金の減少が影響しており、今後の配当方針については慎重な判断が求められる。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。