小野建の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は鉄鋼・建材流通業界に属し、主に鉄鋼商品販売事業、建材商品販売事業、工事請負事業を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内需要は地域間や業種によってばらつきがあり、特に建設関連では大型工事が多く、中小型工事の需要は低迷している。全体的には需要環境が軟調である。
・競争における供給の状況：鉄鋼商品の主原材料である鉄スクラップ市況が軟調に推移しており、供給側も厳しい状況が続いている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に需要の偏りに直面しており、特に大型工事に依存している企業が多い。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、業界全体の競争が激化しているため、新規参入の障壁は高いと考えられる。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、環境意識の高まりにより、再生可能な建材やリサイクル素材の需要が増加している可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高137,587百万円（前年同期比1.9％減）、営業利益3,692百万円（前年同期比12.5％減）、経常利益3,797百万円（前年同期比12.7％減）、親会社株主に帰属する中間純利益2,532百万円（前年同期比14.8％減）であった。業績の減少は、販売単価の低下や人件費の増加、拠点整備に伴う費用の増加が主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想は、通期で売上高282,200百万円（前年比0.1％増）、営業利益6,500百万円（前年比20.9％減）、経常利益6,500百万円（前年比22.1％減）、親会社株主に帰属する当期純利益4,400百万円（前年比23.6％減）とされている。リスク要因としては、鉄鋼商品の市況動向や国内需要の不透明感が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は69.00円であり、前期から変更はない。配当の維持は、安定した収益基盤を維持するための方針と考えられる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。