ＰＩＬＬＡＲの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社PILLARは、電子機器関連事業と産業機器関連事業の2つの主要セグメントを持つ。電子機器関連事業は半導体・液晶製造装置向けの製品を提供し、産業機器関連事業はエネルギーやケミカル市場向けの製品を扱う。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：半導体製造装置市場は昨年度からの調整局面から回復の兆しが見えるが、依然として需要は横ばいであり、特に電子機器関連事業の売上は伸び悩んでいる。
・競争における供給の状況：供給側では、競合他社が新技術を導入し、製品の性能向上を図っているため、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、国内外の大手半導体製造装置メーカーが存在し、技術力やコスト競争力で優位性を持つ企業が多い。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新興企業が市場に参入する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の製造装置や新しい製造技術が考えられ、特にAIや自動化技術の進展が影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が285億34百万円（前年同期比1.6％増）、営業利益が58億25百万円（前年同期比15.5％減）、経常利益が57億54百万円（前年同期比22.9％減）、親会社株主に帰属する中間純利益が38億87百万円（前年同期比24.8％減）となった。前年同期に比べて売上は微増したものの、営業利益と経常利益は大幅に減少した。これは、固定費の増加や一時的なコスト増が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高620億円（前年同期比5.8％増）、営業利益130億円（前年同期比8.5％減）、経常利益130億円（前年同期比13.9％減）、親会社株主に帰属する当期純利益90億円（前年同期比16.5％減）とされている。リスク要因としては、海外景気の不透明感や地政学リスク、インフレの進行が挙げられる。特に、米中対立による規制強化が業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末配当金を54円に決定した。前期の配当金は60円であったため、減配となる。これは、業績の減少を受けたものであり、期末配当は71円を予想している。年間配当予想は変更していない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。