住友ゴム工業の銘柄分析

1. 環境分析

住友ゴム工業株式会社は、タイヤ事業、スポーツ事業、産業品他事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の自動車メーカーの生産調整や、インフレの影響によりタイヤ販売本数は前年同期を下回ったが、冬タイヤや夏タイヤの販売は業界を上回り、シェアは向上した。スポーツ事業では、ゴルフ用品の販売が好調であったが、韓国市場の悪化が影響している。
・競争における供給の状況：一部の自動車メーカーの生産停止や供給不足が影響し、タイヤの供給が不安定な状況にある。特に、海外市場では中国の市況低迷が影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、アジア市場では日系自動車メーカー向けの需要が減少している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は特に目立たないが、環境意識の高まりにより、エコタイヤや高機能タイヤを提供する企業が増加している。
・代替品について：電動車両の普及に伴い、タイヤの代替品としての新素材や新技術が注目されているが、現時点では市場シェアは小さい。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上収益は874,942百万円で前年同期比2.8％増加した。事業利益は61,514百万円で46.6％の増加を記録したが、営業利益は11,485百万円で72.3％の減少となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,050百万円で85.1％減少した。前年同期の業績と比較すると、為替変動の影響で利益状況は改善したが、販売本数の減少が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上収益1,200,000百万円、事業利益80,000百万円、営業利益5,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,000百万円とされている。特に、Sumitomo Rubber USAの生産終了および解散が影響し、営業利益と親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想を下回る見込みである。リスク要因としては、海外市場の不安定さや為替変動が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は29.00円で、前期からの変更はない。株主還元の観点から、安定した配当を維持する方針である。

5. 株価予想

上記の業績予想を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。