リリカラの銘柄分析

1. 環境分析

リリカラ株式会社は、主にインテリア事業、スペースソリューション事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：新設住宅着工戸数が前年対比で減少しており、インテリア業界全体の需要が低迷している。特に、エネルギーコストや原材料価格の高騰が影響し、消費者の購買意欲が減退している。
・競争における供給の状況：原材料の供給が不安定であり、特にエネルギー関連のコストが上昇しているため、供給側も厳しい状況にある。企業はコスト削減を余儀なくされている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料費の高騰に直面しており、価格競争が激化している。特に、低価格を武器にする企業が市場シェアを拡大している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存の競合が新たな製品ラインを展開することで競争が激化する可能性がある。特に、環境に配慮した製品が注目されている。
・代替品について：代替品としては、DIY市場の拡大や、オンラインでのインテリア商品購入が挙げられる。これにより、従来の流通経路が脅かされている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比3.7％増の25,349百万円であったが、営業損失は167百万円、経常損失は221百万円、四半期純損失は213百万円となった。前年同期は営業利益1,306百万円、経常利益1,277百万円、四半期純利益829百万円であったため、業績は大きく悪化している。主な原因は、原材料費や物流費、エネルギー費の高騰によるコスト増加である。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高33,800百万円、営業利益150百万円、経常利益90百万円、当期純利益10百万円とされている。リスク要因としては、原材料価格のさらなる高騰や、地政学的リスクが挙げられる。特に、ウクライナや中東情勢の影響が業績に与える影響は無視できない。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は36.00円であり、前期からの変更がある。これは、業績の回復を見込んでの株主還元策であるが、実際の業績が予想を下回った場合には見直しが必要となる可能性がある。

5. 株価予想

上記の業績動向を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。