極東貿易の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の設備投資が持ち直しを見せており、特に鉄鋼・化学プラント向けの需要が堅調である。自動車部品用樹脂や塗料の需要も北米市場で好調に推移している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に設備投資を強化しており、供給過剰のリスクが懸念されるが、特定のニッチ市場においては競争優位性を維持している。
・既存競合他社について：国内外の大手企業が競争相手であり、特に設備関連事業では価格競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新たなプレイヤーが市場に参入する可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、環境規制の強化により新素材の開発が進んでおり、今後の影響が懸念される。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高21,277百万円、営業利益796百万円、経常利益1,020百万円、親会社株主に帰属する中間純利益767百万円である。前年同期比で売上高は5.5%増、営業利益は134.7%増、経常利益は56.5%増、純利益は64.8%増となった。業績の好調は、産業設備関連部門の需要増加と、産業素材関連部門の北米市場での好調な推移によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高45,500百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円である。業績予想の根拠は、国内外の設備投資の回復と、北米市場での需要増加が見込まれることにある。ただし、原材料価格の高騰や円安、地政学リスクなどのリスク要因も存在し、これらが業績に与える影響には注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において35.00円の配当を予定している。前期の配当額は37.50円であったため、若干の減少が見込まれる。減少の理由は、企業の成長投資を優先するための資本政策の一環である。

5. 株価予想

上記を考慮し向こう3ヶ月以内の株価変化を「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。