プレス工業の銘柄分析

1. 環境分析

プレス工業株式会社は、自動車関連事業と建設機械関連事業の2つの主要セグメントを持つ。自動車関連事業では、普通トラックや小型トラックの製造・販売を行い、建設機械関連事業では油圧ショベル用キャビンの製造を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内では普通トラックと小型トラックの需要が増加しているが、海外市場ではタイやインドネシアでの需要が減少している。特に、タイでは自動車購入時のローン審査が厳格化され、需要が落ち込んでいる。
・競争における供給の状況：供給側では、国内外の生産体制を強化しているが、原材料費の高騰や生産コストの上昇が影響している。特に、北米や欧州での金利上昇が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、国内市場では競争が厳しく、利益率の低下が懸念される。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られないが、技術革新や環境規制の強化により、既存企業の競争力が試される状況にある。
・代替品について：電動車両や自動運転技術の進展により、従来の内燃機関車両に対する代替品の需要が高まっている。これにより、従来の製品の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が952億88百万円で前年同期比3.7％減、営業利益は50億95百万円で19.8％減、経常利益は54億63百万円で20.3％減、親会社株主に帰属する中間純利益は34億4百万円で23.0％減となった。業績の悪化は、主に海外市場での需要減少と原材料費の高騰が影響している。前期と比較しても、全体的に減少傾向が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高176,300百万円で10.9％減、営業利益8,800百万円で31.3％減、経常利益9,200百万円で31.7％減、親会社株主に帰属する当期純利益5,600百万円で30.7％減と予想されている。リスク要因としては、海外市場の需要低迷、原材料費の高騰、金利上昇による影響が挙げられる。特に、北米や欧州での金利上昇が影響を及ぼす可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当金が14円00銭、記念配当が5円00銭と予想されている。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の変更がない理由は、企業の財務基盤を維持しつつ、株主還元を図るためである。

5. 株価予想

上記の業績予想を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。