ＮＩＳＳＨＡの銘柄分析

1. 環境分析

NISSHA株式会社は、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：産業資材事業では、加飾分野やサステナブル資材分野での需要が堅調に推移している。ディバイス事業では、タブレットや業務用端末向けの製品需要が回復している。メディカルテクノロジー事業では、CDMOの製品需要が堅調である。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格変動や供給チェーンの影響が見られるが、企業は生産性向上に努めている。特に、効率的な生産体制の構築が進んでいる。
・既存競合他社について：競合他社は、技術革新やコスト競争力を強化しており、特にグローバル市場での競争が激化している。NISSHAは独自技術を活かし、差別化を図っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にテクノロジー分野での革新を背景に増加しているが、NISSHAの持つブランド力や技術力が競争優位性を保つ要因となっている。
・代替品について：代替品の脅威は存在するが、NISSHAの製品は高い品質と機能性を持つため、顧客の信頼を得ている。特に、メディカルテクノロジー分野では、代替品の影響は限定的である。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高148,402百万円（前年同期比19.8%増）、営業利益6,110百万円（前年同期は営業損失414百万円）、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,423百万円（前年同期比668.8%増）であった。業績の改善は、産業資材事業やディバイス事業の需要回復、メディカルテクノロジー事業の企業買収による寄与が要因である。前期との差異として、営業利益が大幅に改善した点が挙げられる。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高196,600百万円（前期比17.2%増）、営業利益7,400百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益5,000百万円である。業績予想の根拠は、産業資材事業の需要増加、ディバイス事業の回復、メディカルテクノロジー事業の成長が見込まれることにある。ただし、リスク要因としては、原材料価格の変動、為替リスク、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の年間配当金は50.00円（前期と同額）を予定している。配当の維持は、安定した利益の確保と株主還元の意向を示している。自社株買いについての具体的な計画は示されていないが、資本効率の向上を目指す姿勢が見受けられる。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想される。業績が改善し、次期業績予想も成長が見込まれるため、投資家の期待感が高まると考えられる。